■ うつし世はゆめ
恩田陸『夢違』(角川書店,2011/11)
夢を映像として記録できるようになった近未来。各地の小学校で頻発する集団白昼夢事件。事件に遭った小学生の夢札あらわれるアレは何を意味するのか。かつて精度の高い予知夢をみていた女性は予知した事件に巻き込まれて亡くなった。あれから十年以上たった今になって寄せられる彼女の目撃情報とは関係は。各地で発生する神隠し事件との関わりはあるのか。それらの謎を追求する研究者チーム。そのひとりは「新しい技術が生まれると新しい問題も生まれる」「ギャンブル依存症もゲーム依存症も、当然カジノやゲームがない時代にはなかった。抗生物質がない時代には耐性菌もなかった」と言う。果たして新しい問題が起きようとしているのか。夢の世界だからこその奇妙な論理、捉えどころのないロマンス、心もとない現実、変容する世界のトリップ感。他所では味わえない恩田陸印のファンタスティックなサスペンス。さすが。

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