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|-|-|-|2014/07/26 Sat.|
食べなければ元気もでない
柚木麻子ランチのアッコちゃん』(双葉社,2013/04)

「柚木麻子の作品は気持ちがいい。いま柚木作品を読んでおくと、近い将来、ドヤ顔ができます。あのドラマ化も映画化も良かったけど、やっぱ原作が最高だよって」朝井リョウ氏」[帯]
    収録作品
    • ランチのアッコちゃん
    • 夜食のアッコちゃん
    • 夜の大捜査先生
    • ゆとりのビアガーデン
表紙は卵焼きとウインナーといんげんのごま和えとプチトマトのお弁当。帯には「読むほどに不思議に元気が湧く、新感覚ビタミン小説誕生!!」とあり、食べ物がたくさん出てくる。「ランチのアッコちゃん」は、冴えない派遣の澤田三智子手取り14万3千円が、黒川敦子部長(45)に仕掛けられて月曜から金曜まで外食体験。一週間で巡るのは、デザイン事務所経営者が趣味で昼間だけやっているカレー、有楽町国際フォーラムの広場にでている屋台のスムージーとラップサンド、神保町「いもや」の天丼、屋上で社長が奢ってくれる特上寿司、そしてまたカレー。その続篇「夜食のアッコちゃん」では、敦子が転身してフランスで半年修行したポトフの移動販売。「夜の大捜査先生」の趣きは少々異なり、イケイケの90年代を経て30歳になった満島野百合の渋谷の一夜。「合コンの大皿料理にピンクペッパーと放射線状のソースがかけられている率は異様に高い[p.93]」という描写から始まり、朝マックで終わる。「ゆとりのビアガーデン」は3ヶ月で退職してしまったゆとり世代佐々木玲美が一人で始めたビアガーデンの成長物語。よだれだらだらの美食が描かれるではないけれど、日常の食事がもたらすささやかな幸福感にほっこりする。
2014年本屋大賞7位。
|読む―ミステリ|comments(0)|trackbacks(0)|2014/04/30 Wed.|
杉村三郎の呆然
宮部みゆきペテロの葬列』(集英社,2013/12)

『誰か』『名もなき毒』に続く杉村三郎シリーズ待望の第3弾。宮部みゆきの新たな代表作、誕生![帯]
今多コンツェルン会長室直属・グループ広報室に勤める杉村三郎はある日、拳銃を持った老人によるバスジャックに遭遇。事件は3時間ほどであっけなく解決したかに見えたのだが――。しかし、そこからが本当の謎の始まりだった! 事件の真の動機の裏側には、日本という国、そして人間の本質に潜む闇が隠されていた! あの杉村三郎が巻き込まれる最凶最悪の事件!? 行きもつけない緊迫感の中、物語は二転三転、そして驚愕のラストへ![帯]
今多コンツェルンのマスオさん杉村三郎が、降りかかる事件を通じて人の心の闇をみてしまうシリーズ第3作。人並み外れた事件遭遇率の高さに杉村三郎がしばしばセルフ突っ込みするなど絶妙の展開にハラハラドキドキした挙句の「驚愕のラスト」に呆然。ああ、オレはなんと素直な読者だったのだろう。もしやこのシリーズはこのラストのためにが組み立てられいたのか。いやいや、これで最後にしないでください。この衝撃を越えて杉村三郎がどこへ向かうのかを見届けさせていただきたい。
|読む―ミステリ|comments(0)|trackbacks(0)|2014/04/11 Fri.|
日本橋につながる謎
東野圭吾『祈りの幕が下りる時』(講談社,2013/9)

悲劇なんかじゃない/これがわたしの人生[帯]彦根在住の女性の死体が、なんの関係もない小菅の木造アパートで発見された。その部屋の住人はなんの痕跡も残さず消えていた。彦根での聞き込みからつながっていく細い線を辿るうちに、ある父娘の壮絶な過去が浮かびあがる。みんな世の中が悪いからなのか。生きていくために手を染めた犯罪。娘の前から姿を消した父の決意。選んだ道を進む娘の覚悟。巻き込まれた被害者の無念。それから、加賀恭一郎を置いて出奔した母の謎と、加賀が日本橋勤務に拘泥した理由も明らかになるのが、(たいして読んではいないけれど)シリーズ読者にはうれしい。
このミステリーがすごい!2014年版国内編10位。
週刊文春ミステリーベスト10 2013年国内編2位。
|読む―ミステリ|comments(0)|trackbacks(0)|2014/01/10 Fri.|
俺はあれだ
貴志祐介雀蜂』(角川書店・文庫,2013/10)

あと1回刺されると―俺は死ぬ。[帯] 雪の山荘で目覚めたミステリ作家の安斉。一緒にいたはずの妻は消えていた。そのかわりに、冬にいるはずのないスズメバチを見つける。かつてスズメバチに刺されたことがある安斉はもう一度刺されたらアナフィラキシー・ショックで死んでしまうのだ。外部へ連絡する手段が封じられているなど、山荘内には殺意のこもったトラップがいくつも仕掛けられていた。この罠からいかにして脱出するか。これまでに書かれた安斉の作品をヒントにしてスズメバチと対決する。この罠は誰がなんのために仕掛けたのか。それが明らかになる「ラスト25ページのどんでん返し[裏表紙]」。なるほど、あのトリックとこのトリックをそういう風に組合せたか〜。ひとは、しばしば活字になったものを実際にあったことのように信じてしまうものなのだ。
|読む―ミステリ|comments(0)|trackbacks(0)|2013/12/02 Mon.|
参勤交代のアリバイトリック
土橋彰宏超高速! 参勤交代』(講談社,2013/09)

時間がない!:藩取り潰しまで5日/カネがない!:貯蓄ゼロの貧乏小藩/人がいない!:7人で大名行列!? 享保の大飢饉の痛手からまだ立ち直っていない陸奥湯長谷藩一万五〇〇〇石に、五日以内に江戸へ参勤せよとの理不尽な命がくだる。現在のいわき市にあった湯長谷から江戸までは行列を連ねて進めばどんなに急いでも八日はかかる。時間はない、カネもない、行列を組む人も足りない。それでもなにがなんでも登城しなくてはならない。戸隠流忍者を道案内に、最小限のメンバーで街道のない山間部を往き、途中の宿場町ではバイトを雇って大名行列通過のアリバイを作る手で、いざ行かん。
『のぼうの城』(2003年)を生んだ〈城戸賞〉を最高得点で受賞したシナリオ作家の痛快アクション小説![帯]
映画化も決まっていると知って読むからかもしれないけれど、スピーディで絵になる展開はシナリオ作家の手によるものだからか。戸隠流奥義などのトリックが好き。ずいぶんと凄惨悲惨だったり徳川吉宗も人が悪いとかそこはそういう態度でいいのかなどとひっかかる部分もないわけではないけれど、前向きでよいではないか。
|読む―ミステリ|comments(0)|trackbacks(0)|2013/11/29 Fri.|
教官おそるべし
長岡弘樹『教場』(小学館,2013/06)

君には警察学校を辞めてもらう。[帯]
    収録作品
    • 第一話 職質
    • 第ニ話 牢問
    • 第三話 蟻穴
    • 第四話 調達
    • 第五話 異物
    • 第六話 背水
    • エピローグ
文庫化された『傍聞き』(2008)が売れてると知った時にもびっくりしたけれど、本書のCMを地上波でみたときにはそこまで推すのかとたまげた。そんな版元イチオシの「初の警察学校小説にして決定版(横山秀夫)[帯]」であります。もちろん、映画『ポリスアカデミー』(1984)のようなコメディではないし、訓練生ものという意味では近そうな映画『愛と青春の旅だち』(1982)や『海猿』(2004)、ドラマ『スチュワーデス物語』(1983-)のような成長と恋の物語でもない。警察学校という「篩」での学生たちのサバイバルとそれを見守る教官の洞察を描いた緻密な連作ミステリ。極限まで追い込まれ乗り越えた者たちの物語だが、乗り越えられず脱落した者たちのその後も気にかかる。
|読む―ミステリ|comments(0)|trackbacks(0)|2013/11/06 Wed.|
カーに捧げる内蔵助の犯罪など
田中啓文シャーロック・ホームズたちの冒険』(東京創元社,2013/05)

ホームズ、大石内蔵助の妻・りく、ヒトラー、小泉八雲、そしてルパン/著名人の名推理![帯]
    収録作品
    • 「スマトラの大ネズミ」事件
    • 忠臣蔵の密室
    • 名探偵ヒトラー
    • 八雲が来た理由
    • mとd
      あとがき
かのシャーロック・ホームズをはじめとする「著名人の名推理に酔いしれる、連作短編集[袖]」。意外にも(失礼)原典に忠実で手が込んでいて凝りまくっているのにそんなオチをつけるところがまさに田中啓文だということは重々承知ノ助。
「「スマトラの大ネズミ」事件」ライヘンバッハの滝から帰還したシャーロック・ホームズが、連続首狩り事件の謎を追う中で明らかになる「帰還」の秘密。「忠臣蔵の密室」討入り当日、密室状態の炭小屋のなかにあった死体という設定にしびれる。その謎を大石主税からの手紙で解明するのが母のりく。そこで話は終わらずさらにその奥の奥まで造りこんでくるわけだが、この初出が〈J・D・カー生誕百周年記念アンソロジー〉というのだからなんというか畏れいる。「名探偵ヒトラー」シャーロッキアンのヒトラーとそのワトスン役を任ずるボルマンが大本営「狼の巣」で起きた密室事件の謎を解く。血腥く、伝奇的展開ももれなく付いてきます。「八雲が来た理由」ラフカディオ・ハーンが解決した不可思議な謎が結実したのがあの『怪談』だったのです。「mとd」アルセーヌ・ルパンとその作者モーリス・ルブランとその訳者南洋一郎、さらにはルパンとホームズの関係までも大統一理論的に説明しようかという風呂敷の広さかな。
|読む―ミステリ|comments(0)|trackbacks(0)|2013/09/16 Mon.|
これからも漕ぐ
近藤史恵キアズマ』(新潮社,2013/04)

決して交わるはずのないものが、どこかで交わった。喪失を超えて、ただ走り続ける――。[帯]
「サクリファイス」シリーズ最新作。新たな舞台は大学自転車部![帯]
ひょんなことから部員4人の自転車部に入ることになった新入生の岸田正樹。単純なようで複雑で扱い方は難しいが力のあるエース、その扱いに長けたやさしい先輩、なにかと意地悪な先輩、包容力のある部長らと触れあうなかで、乗り気でなかったはずの自転車競技に目覚めていく。「サクリファイス」シリーズというか、自転車の息吹を描く新しいシリーズの開幕です。部員たちだけでなく、いろいろあった過去や、あの〈チーム・オッジ〉マネージャーの赤城とも正樹の人生は交叉していく、というのがタイトルの由来なのか。エースの過去には何があったのか、正樹が得意なフランス語を活用する展開はあるのか、部長の怪我もまだ治っていないし、これからの展開を期待してしまう。
|読む―ミステリ|comments(0)|trackbacks(0)|2013/09/13 Fri.|
ユートピアはいずこに
伊与原新『ルカの方舟』(講談社,2013/06)

人類史を変える謎。究明は、一人の天才に託された。[帯] 南極で採取された火星隕石から見つかった生命の痕跡。その隕石の鑑定を実施した帝都工科大学笹見教授が実験室で亡くなった。そして、笹見研究室のFFPを指摘するメールが届いたことから、"天才"百地教授が調査にとりかかることに。百地は、科学雑誌編集部の小日向、教え子で今は科警研研究員の佐相とともに、笹見研究室にからむFFP(Fabrication:捏造、Falsification:改ざん、Plagiarism:盗用)の実態を解明し、笹見教授の死の真相に迫る。やがて明らかになる復讐譚の陰には哀しき兄弟弟子の絆。すさまじきかな、ポスドク残酷物語。犯人も容疑者も小日向も佐相も円城塔もみんなが憧れていたユートピアは一体いずこに。でも極地に、火星に、宇宙にロマンはあるのだ。
|読む―ミステリ|comments(0)|trackbacks(0)|2013/08/09 Fri.|
黄色い花はどこへ行った
東野圭吾夢幻花』(PHP研究所,2013/05)

黄色いアサガオだけは追いかけるな[帯] 舞台は東京。入谷の朝顔市、西荻窪のひとり暮らしの老人の住まい、新宿のライブハウスなど。秋山梨乃は競泳オリンピック出場の目標をとある事情から見失ってしまった女子大生。プロデビューを目指していたミュージシャンの従兄弟が自殺し、そして今また花好きの祖父が殺される。大好きだった祖父の死を解明せんと動き出す。蒲生蒼太は実家を離れ大阪で原子力工学を学ぶ大学院生。東日本大震災以後、将来を迷っているが、ひょんなことから梨乃と行動をともにする。蒼太の兄、蒲生要介は警察庁勤務の高級官僚。蒲生家に伝わる秘密を一子相伝で抱え込み、梨乃の祖父の死の謎を独自に追求しはじめる。伊庭孝美は薬学部院生。蒼太の初恋の相手。伊場家にも秘密があり、梨乃の従兄弟の死の謎を独自に追求する。登場人物がそれぞれに追求する謎のつながるところにあるのが夢幻花、黄色いアサガオだ。というわけで
御存じの方も多いと思いますが、アサガオに黄色い花はありません。しかし江戸時代には存在したのです。ではなぜ今は存在しないのか。人工的に蘇らせることは不可能なのか。そのように考えていくと、徐々にミステリの香りが立ち上ってきました[著者メッセージ]
ぜ。黄色いアサガオをめぐる謀略がビックリでもってステキ。そして、『カッコウの卵は誰のもの』でも語られた才能をめぐる展開や、負の遺産をめぐるエピローグがもう切なくて。
|読む―ミステリ|comments(0)|trackbacks(0)|2013/08/01 Thu.|
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