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|-|-|-|2014/07/26 Sat.|
屍者の使者が支社で試射した
伊藤計劃/円城塔屍者の帝国』(河出書房新社,2012/08)

意識とは何か? 魂とは何か? 若き英国諜報員ワトソンの冒険が始まる―
早逝の天才・伊藤計劃の未完の絶筆が、盟友・円城塔に引き継がれて遂に完成[帯]
このいきさつだけで、すでに伝説です。しかも傑作。
伊藤計劃が遺したプロローグ、いきなりロンドン大学医学部で学ぶジョン・H・ワトソン(!)が登場。フランケンシュタイン(!)が開発した死体蘇生技術について、ヴァン・ヘルシング教授(!)から講義を受ける。ってなんだよそれはステキすぎるじゃないか。キリがないのであとは(!)を略します。というわけでこの19世紀末の世界は、復活した屍者を労働力として活用することで繁栄しているのであります。そのほかにもディファレンス・エンジンとかあとからいろいろ出てきてそれも感涙ものなのだけれど、それはさておいて、ヴァン・ヘルシングにスカウトされたワトソンが連れて行かれたのがユニヴァーサル貿易。もちろん、これは世を忍ぶ諜報機関の仮の姿のわけで、そこにはMがいて、なんとMの弟は諮問探偵というのだからもうどれだけ好き勝手に妄想しているのか。このプロローグの時点で、ヴィクトリア朝の007で吸血鬼とフランケンシュタインとシャーロック・ホームズが絡むんだと悶絶。
続く本編、円城塔が芥川賞受賞をはさむ3年余の歳月をかけて書き継いだ本書の95%がまた素晴らしい。ワトソンは、軍医として屍者フライデーを従僕にインドを経てアフガニスタンへと赴く。って史実(?)どおり(!)じゃないか。感激のあまり、また(!)を使ってしまったよ。その目的地は、アレクセイ・カラマーゾフ(!!)がアフガニスタン山中に築いた「屍者の帝国」。というのがまだ第一部。続く第二部では日本、第三部ではアメリカ、ふたたびロンドンへと物語はめぐる痛快娯楽歴史改変メタSF。派手なアクションとしみじみとした諧謔とただならぬ思索。読んだひとはみんな昂揚してなにか言いたくなるそういう傑作。
ネットでみた昂揚の例をすこしですが挙げておきます。これが愛だ。
|読む―SF|comments(0)|trackbacks(2)|2012/10/20 Sat.|
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SFの話をした夜
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| 更・ぅれしぃがらし日記 | 2013/01/11 11:54 PM |
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| 更・ぅれしぃがらし日記 | 2013/01/14 11:40 AM |