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|-|-|-|2014/07/26 Sat.|
日本SF作家クラブ、最初の10年
日本SF作家クラブ編『日本SF短編50 I』(早川書房・文庫,2013/03)

黎明と勃興の10年。[帯]
クラブが発足した一九六三年から二〇一二年までの五〇年を、クラブに所属する五〇人の作家、五〇の短編で振り返る。それぞれの年の特徴をとらえた作品を選び、しかも作家を重複させない[巻頭言/瀬名秀明,p.8]
という日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー全5巻、その最初の10年をとりあげた第1巻。北原尚彦日下三蔵星敬山岸真それに〈SFマガジン〉清水直樹編集長から成る編集員チームはどんな作品をあげてきたかお手並みを拝見しようではないか。
    収録作品
      巻頭言/瀬名秀明
    • 光瀬龍「墓碑銘二〇〇七年」(1963)
    • 豊田有恒「退魔戦記」(1964)
    • 石原藤夫「ハイウェイ惑星」(1965)
    • 石川喬司「魔法つかいの夏」(1966)
    • 星新一「鍵」(1967)
    • 福島正実「過去への電話」(1968)
    • 野田昌宏「OH! WHEN THE MARTIANS GO MARCHIN'IN」(1969)
    • 荒巻義雄「大いなる正午」(1970)
    • 半村良「およね平吉時穴道行」(1971)
    • 筒井康隆「おれに関する噂」(1972)
      巻末解説/星敬
え、小松左京が無いではないか。早川書房はまだそこまでするのかと思ったら、全収録作リストによれば「ゴルディアスの結び目」(1976)がII巻に収録される由。でも、星新一、小松左京、筒井康隆の第一世代の偉大な3人にはI巻に並んでいてほしいと願う。それはさておき、このリストが胸熱。100人のファンが100とおりのツッコミを入れるだろうという素敵ぶりなので引用しておきます。表現形式はワタクシ好みに変えています。
    I
    • 光瀬龍「墓碑銘二〇〇七年」(1963)
    • 豊田有恒「退魔戦記」(1964)
    • 石原藤夫「ハイウェイ惑星」(1965)
    • 石川喬司「魔法つかいの夏」(1966)
    • 星新一「鍵」(1967)
    • 福島正実「過去への電話」(1968)
    • 野田昌宏「OH! WHEN THE MARTIANS GO MARCHIN'IN」(1969)
    • 荒巻義雄「大いなる正午」(1970)
    • 半村良「およね平吉時穴道行」(1971)
    • 筒井康隆「おれに関する噂」(1972)
    II
    • 山野浩一「メシメリ街道」(1973)
    • 眉村卓「名残の雪」(1974)
    • 矢野徹「折紙宇宙船の伝説」(1975)
    • 小松左京「ゴルディアスの結び目」(1976)
    • 横田順彌「大正三年十一月十六日」(1977)
    • 夢枕獏「猫ひきのオルオラネ」(1978)
    • 神林長平「妖精が舞う」(1979)
    • 梶尾真治「百光年ハネムーン」(1980)
    • 新井素子「ネプチューン」(1981)
    • 大原まり子「アルザスの天使猫」(1982)
    III
    • 山田正紀「交差点の恋人」(1983)
    • 田中芳樹「戦場の夜想曲(ノクターン)」(1984)
    • 栗本薫「滅びの風」(1985)
    • 川又千秋「火星甲殻団」(1986)
    • 中井紀夫「見果てぬ風」(1987)
    • 野阿梓「黄昏郷」(1988)
    • 椎名誠「引綱軽便鉄道」(1989)
    • 草上仁「ゆっくりと南へ」(1990)
    • 谷甲州「星殺し」(1991)
    • 森岡浩之「夢の樹が接げたなら」(1992)
    IV
    • 大槻ケンヂ「くるぐる使い」(1993)
    • 宮部みゆき「朽ちてゆくまで」(1994)
    • 篠田節子「操作手(マニピュレーター)」(1995)
    • 藤田雅矢「計算の季節」(1996)
    • 菅浩江「永遠の森」(1997)
    • 小林泰三「海を見る人」(1998)
    • 牧野修「螺旋文書」(1999)
    • 田中啓文「嘔吐した宇宙飛行士」(2000)
    • 藤崎慎吾「星に願いを」(2001)
    • 北野勇作「かめさん」(2002)
    V
    • 林譲治「重力の使命」(2003)
    • 冲方丁「日本改暦事情」(2004)
    • 高野史緒「ヴェネツィアの恋人」(2005)
    • 上田早夕里「魚舟(うおぶね)・獣舟(けものぶね)」(2006)
    • 伊藤計劃「The Indifference Engine」(2007)
    • 小川一水「白鳥熱の朝(あした)に」(2008)
    • 飛浩隆「自生の夢」(2009)
    • 山本弘「オルダーセンの世界」(2010)
    • 宮内悠介「人間の王」(2011)
    • 瀬名秀明「きみに読む物語」(2012)
あれ、なんでこのひとがいないのという疑問がすぐ湧いてきます。平井和正や山尾悠子、鈴木いずみさらには野尻抱介も円城塔もSF作家クラブに所属していないのだから未収録。広瀬正も遺族の掲載許諾が得られなかったということで仕方ない。手塚治虫も萩尾望都も大友克洋も漫画は採らないらしい。この3人も受賞している日本SF大賞受賞をもらっているなかでは、荒俣宏や貴志祐介は長篇型だから収録する適当な作品がないということなのだろう。しかし、日本SF大賞/星雲賞ダブルクラウンの堀晃とかんべむさしがいないのは納得しがたい。日下三蔵の「早川書房に対する遠慮から外したという事実は一切ありません」というコメントによれば、
具体的に言いますと、堀さんは77年と78年の候補に残っていました。77年は堀作品は二つの短篇に票が割れて三票を集めた横田順彌さんの作品に決まりました。78年は二票から三票の作品が多い激戦でしたが評価の高かった堀さんの「梅田地下オデッセイ」はアンソロジーに収録するには長すぎるという理由で対象から外れ、二転三転の末に夢枕獏さんの作品に決まりました。
というけれど。1977年の堀作品といえば、「太陽風交点」(SFM1977/03)と「バビロニア・ウェーブ」(SFM1977/10)か。対抗の横田順彌については、明治ものであれば「大正三年十一月十六日」でなく〈鵜沢龍岳シリーズ〉から採ってほしいし、いや、やはりハチャハチャの祖なのだから「宇宙ゴミ大戦争」(SFM1974/10)もしくは奇しくも堀晃そのひとが「ハチャハチャSFの最高傑作と誰もが認める」と評した『脱線!たいむましん奇譚』(1976-1978発表作品を収録)から選んでいただきたい。ほかの年でも「暗黒星団」(SFM1976/02)、「悪魔のホットライン」(SFM1978/2)、「アンドロメダ占星術」(SFM1979/05)など傑作が目白押しではないか。わからん。
編集員チームが語りあう「オールスターアンソロジー「日本SF短編50」を語る」によれば、(1)日下三蔵編『日本SF全集』全6巻(出版芸術社,2009-)と被らない、(2)短篇集表題作はなるべく採らない、(3)〈NOVA〉から採りすぎない、(4)新井素子「ネプチューン」180枚は収録したけれど長いという理由で採らなかったものがあるなどの御説明がありました。そうですか。
最後に本巻について。すべて再読でした。昔のオレはSFならなんでもマメに読んでいたんだねえ。光瀬龍を〈宇宙年代記〉シリーズから採るのは納得だが、できればユイ・アフテングリが登場するものにしてほしかった。石原藤夫「ハイウェイ惑星」に文句はないけれど、この機会にナンセンスなハードSF〈オロモルフ号〉シリーズの評価を。石川喬司は〈夢書房〉シリーズを強く希望。福島正実は編集者・翻訳者として評価するけれど。半村良「赤い酒場を訪れたまえ」(1970)や野田昌宏「レモン月夜の宇宙船」(1968)は『日本SF全集』に先行されていました。筒井康隆「おれに関する噂」は古びることのないマスターピース。荒巻義雄「大いなる正午」はこの時代ならではの傑作。
|読む―SF|comments(2)|trackbacks(1)|2013/04/15 Mon.|
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|-|-|-|2014/07/26 Sat.|
コメント
このリスト、見れば見るほどおもしろいですよね。ホント、なんで、かんべむさしが無いんだろう。

新たに、大槻ケンヂ「くるぐる使い」(1993)は、3月に出た星雲賞傑作選(大森望編)に収録されたじゃん!?、などということに気づいてしまいました。いや、作品自体はおもしろかったんですが。

| medihen | 2013/04/16 1:47 PM |
このリストに次から次へと言いたいことがでてくるというのは、いいセレクションだということでしょう。
日本SF作家クラブ会長として、さまざまな50周年記念事業を推進し、このアンソロジーの50年50人縛りも強固に主張したという瀬名秀明が今年3月にクラブを退会しているというのも不思議。「大森望の新SF観光局」(SFM2013/05)から孫引きだけれど、退会前に発表したエッセイで「クラブも"業"からは逃れられない。今後の五〇年で少しずつクラブは消えてゆくでしょう」と書いているのはなんか思うところがあったんだろうな。
| | 2013/04/17 6:23 AM |
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SF若干
日本SF作家クラブ編『SF JACK』(角川書店,2013/05) 収録作品 冲方丁「神星伝」 吉川良太郎「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」 上田早夕里「楽園(パラディスス)」 今野敏「チャンナン」 山田正紀「別の世界は可能かもしれない。」 小林泰三「草食の楽園
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