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|-|-|-|2014/07/26 Sat.|
緑のデミオに知性があってもいいじゃないか
伊坂幸太郎ガソリン生活』(朝日新聞出版,2013/03)

謎がひしめく会心の長編ミステリーにして幸福感の結晶たる、チャーミングな家族小説。[帯] 仙台に住む望月家は母親と大学生♂高校生♀小学生♂の4人家族。その自家用車である緑のデミオが語り手のミステリ。車は数メートルくらいの範囲であれば車同士で会話ができるし人間の言葉も理解できるので、たとえば登場人物がファミリーレストランのなかで会話している姿をみることはできるがその会話の内容を知ることはできない。そんな制限された情報をもとにして語られるのは、名家出身の元女優がダイアナ妃のようにパパラッチに追われて郊外のトンネル内で事故死した顛末、そして最低最悪最凶危険人物が元凶となって引きおこされる犯罪に加担させられそうになる望月家をめぐるサスペンス。
よくできたミステリであると同時に、車知性体を活写したSFとしても傑作。車たちは、半ドアには違和感を覚えるし、驚くと「開いたボンネットが塞がらない」と感じる由。車たちの間では「車輪の数に比例して、高度な知性を備えていくんだ」と考えられているという。二輪車に声をかけても「ё※★」といった聞き取り不能な返事が返ってくるだけだが、車輪の数が多い電車は尊敬の的、畏怖すべき存在であり、踏切前ではうっとりしてしまうらしい。自家用車が家族とともにいられる時間は限られているという省察にはほろりとさせられるし、「二度も叩くなんて、望月家の人間にもぶたれたことがないのに!」と言いだしたときには笑いました。
|読む―ミステリ|comments(0)|trackbacks(0)|2013/05/17 Fri.|
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